市民と科学者の内部被曝問題研究会(略称:内部被曝問題研) Association for Citizens and Scientists Concerned about Internal Radiation Exposures (ACSIR)

内部被曝に重点を置いた放射線被曝の研究を、市民と科学者が協力しておこなうために、市民と科学者の内部被曝問題研究会を組織して活動を行うことを呼びかけます。

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【お知らせ】

野馬追の里健康マラソン大会開催に抗議し、即時中止を要求する

(市民と科学者の内部被曝問題研究会 )

 市民と科学者の内部被曝問題研究会 は、放射線汚染度が高い南相馬市で、2012年12月2日に若者や子どもにマラソンをさせるという企画に関し、共催者である南相馬市長・南相馬市教育委員会・福島民友社に対して、抗議と中止要望を出しました。(2012年11月30日)


南相馬市長  桜井勝延殿
南相馬市教育委員会殿
福島民友新聞社長殿


主催者:「野馬追の里健康マラソン大会」実行委員会
主管者:相双陸上競技協会, 南相馬市陸上競技協会, 原町歩こう会
後援者:相馬野馬追執行委員会,(社)原町観光協会, 小高観光協会、一般社団法人南相馬市かしま観光協会, 読売新聞東京本社福島支局、朝日新聞福島総局, 毎日新聞福島支局, 河北新報社, NHK 福島放送局、福島テレビ,(株)福島中央テレビ,(株)福島放送, テレビユー福島,ラジオ福島
特別協賛者:(株)キクチ, 日本電気(株),(株)日立製作所、(株)日立システムズ, 南相馬市復興事業組合, 南相馬リサイクル共同組合、(株)シマ商会


野馬追の里健康マラソン大会開催に抗議し、即時中止を要求する


 2012年12月2日に予定されている標題マラソン大会は管理区域に相当する空間線量の高い地で行われます。マラソン・コースの中でも、原町区馬場公会堂南がわ(高速道路のトンネルを抜けたところ)が1.55μSv/h(年14mSv)と、市民測定者から報告を受けています。南相馬市ホームページ掲載のコース線量地図では、最高0.71μSv/h(年6.2mSv)、最低0.2μSv/h(年1.8mSv)ですが、いずれも年間1mSvを超す高線量コースです。
 このような高線量が続くコースに若者・子どもを参加させるマラソン大会は甚大な放射線被曝をもたらし、参加した若者・子 どもの健康被害を増加させることにつながります。激しい呼吸を伴うマラソンを長時間、しかも、高線量地域を走らせることが非常に危険なことを、市長、教育委員会はじめ、主催・共催・主管・後援者の関係各位が知らない筈はありません。
 このマラソンによる過度の被曝によって、子どもと若者の健康が著しく損なわれ、健康被害が出た場合の責任を問われる、刑事罰に相当する行為です。
 呼吸が激しくなる運動/活動による被曝の重大性は、3.11直後に被災地に入った米軍が警告を発しています。「ともだち作戦」参加者のうち、海兵隊が最も被曝の懸念があること、その理由が激しい呼吸を伴う活動だったことを、被曝線量登録を立ち上げて説明しています。
 南相馬市と教育委員会はまさにその危険活動を子どもと若者対象に強要しようとしており、それは殺人行為に匹敵すると考えます。未来を担う若者と子どもの健康と安全を守るべき行政と教育委員会が正反対の行為をすることは許されません。「健康マラソン」大会の即時中止を求めます。


2012 年11 月30 日


沢田昭二:名古屋大学名誉教授(物理学)
市民と科学者の内部被曝問題研究会 理事長

 

PDFはこちら(「野馬追の里健康マラソン大会開催に抗議し、即時中止を要求する」)

 

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